オランダ王国大使館主催
蘭日シンポジウム
「持続可能な食料生産 」第2弾
代替タンパク質
へ行ってきました
2024年6月24日(月)
文章 : オランダ大使館農務部作成

招待状より
来る 2024 年 6 月 24 日(月)、駐日オランダ王国大使館は、蘭日シンポジウム「持続可能な食料生産」第2弾を九段会館テラス(東京都千代田区)で開催致します。
今年のシンポジウムでは、私たちの未来を担う食料、代替タンパク質に光を当てます。
昨今、動物性タンパク質の消費が世界規模で増加し、地球の天然資源への負担が重くなる中、世界的な緊張によって食料安全保障面での懸念が高まっています。
このような状況下、持続可能な食料のサプライチェーン実現に向けての戦略として、各国で、官民挙げて、代替タンパク質開発への取り組みが進んでいます。
オランダは、イノベーション、セクター間の連携、国際展開を重視した、高度に発達した、競争力のある農業食品部門を有しております。この基盤は、革新的で野心的なオランダの代替タンパク質セクターの発展に寄与しているほか、国内外のステークホルダーが参画する緻密なタンパク質エコシステムを結びつける役割を果たしています。
オランダ政府は、欧州連合が食料主権強化を図り広範囲に渡り定めたコミットメントの一環として、2020年に国家タンパク質戦略を始動させました。この戦略は、野心的な目標を掲げるオランダの代替タンパク質セクターにとって追い風となるものです。
日本政府もまた、持続可能な食料システムへの移行と安定した食料供給の実現に取り組んでいます。日本では平均的な食事における魚介類摂取の割合が低下し、タンパク質の消費が確実に減少していることから、タンパク質の摂取向上は、高齢化が進む社会にとって特別な課題となっています。その一方で日本の大手食品メーカー、スタートアップ企業、投資家や大学・学術機関は、代替タンパク質食品や原料の開発にますます積極的に取り組んでいます。
本シンポジウムでは、オランダと日本における代替タンパク質の取り組み事例を紹介します。パネル・ディスカッションではこのセクターと関連の深い登壇者を招き、気候・環境問題を解決し、ヘルシー・エイジングを実現するにあたり、代替タンパク質の持つ潜在的な力について議論します。
本シンポジウムは、両国のビジネス、技術革新交流、連携・技術交流の進展を狙いとするものです。
なお、シンポジウム終了後、会場内の別の宴会場で立食懇親会を開催します。
ご参加は無料です。皆様のご参加をお待ちしております。
代替タンパク質:日蘭協力における新たな、そして先が明るい分野へ
日本では、大手食品会社だけでなくスタートアップ企業も植物性食品や独自の新しい食品開発研究に非常に積極的であり、その結果、関連特許の数は世界第2位となっている。未だ現在の国内市場は小さいものの、日本の食品業界は代替タンパク質市場の可能性を認識している。また、アプローチの違いはあるにせよ代替プロテイン市場の将来については、日本でも他の国でも楽観的な見方が広がっている。
6月24日、東京の九段会館テラスで、在日オランダ大使館主催の代替タンパク質に関するシンポジウムが開催され、民間企業、大学、政府、メディアから約100人が集まった。
本シンポジウムでは革新的で健康的な食品分野における提携の可能性を探るため、オランダから日本へのファクトファインディングミッションの第一歩として開催された。
代替タンパク製品の主要メーカーによるプレゼンテーションや健康面や倫理的要因、マーケティング戦略、世界的・国際的な協力、規制などの項目に取り組む専門家によるパネルディスカッションも開催され、シンポジウムは、日本における新しい分野の食品産業に対する理解を深めることに貢献し、ミッションにそれらの情報をインプットさせる機会を提供することが出来た。
開会の挨拶
オランダ王国大使館
デニーズ・ルッツ 農務参事官

歓迎の挨拶
次期駐日オランダ王国大使
ヒルス ベスコー・プルッフ
タンパク質の移行:原動力の一つとして、オランダ代替タンパク質への取り組み
次期駐日オランダ王国大使ヒルス ベスコー・プルッフ氏による開会の挨拶で始まったこのシンポジウムは、オランダの国家タンパク質戦略に関するプレゼンテーションで幕を開けた。

講演
「オランダ国家タンパク質戦略:官民による取組み」
オランダ農業・自然・食品品質省 特使
フレドリック・フォッセナー
オランダ農業・自然・食品品質省特使であるフレドリック・フォッセナー氏は、動物福祉に加えて、タンパク質の移行という概念がオランダにおける代替タンパク質の取り組みの重要な推進力となっていることを説明した。
オランダにおける動物性タンパク質の摂取量は植物性タンパク質の摂取量をはるかに上回っており、公衆衛生と気候に関する懸念が生じている。
オランダ政府は、微生物タンパク質や培養肉など人間と動物のための代替タンパク質の開発を刺激し、健康的な食生活と持続可能な選択について消費者を教育することによって、動物性タンパク質と植物性タンパク質のバランスを今までより健全な50-50になるよう意識して行動している。
しかしこのようなアプローチは、日本では一般的なものではない。


第1部
オランダにおける代替タンパク質移行へのイニシアチブ
講演
「業界先駆者からビジネス・ディべロップメント成功者になるまで
-プラントベーストミート界におけるオランダの事例」
株式会社 いろは CEO
ザ・ベジタリアン・ブッチャー事業部
村谷 幸彦 氏


講演
「植物、発酵、培養由来の代替タンパク質分野におけるイノベーションの現状」
スタジオ・ファーヴァ社 CEO
デニス・ファビエ 氏


休憩
第2部
日本における代替タンパク質移行へのイニシアチブ
講演
「サステナブル事業ならびにプラントベースミートの取り組みについて」
日本ハム株式会社
グループ戦略推進事業部長
高崎 賢司 氏


講演
「細胞農業インフラに向けて」
インテグリカルチャー株式会社
代表取締役社長
羽生 雄毅 氏


健康そしてグローバルな開発:日本における代替タンパク質の主な推進力
聴衆は、代替タンパク質の分野で活躍するオランダと日本の企業、その陣頭指揮を執る4人の講演者の話を聞いた。
ベジタリアン・ブッチャー・ジャパン事業部の村谷幸彦氏は、日本の植物性食品(PBF)市場に参入した最初の外資系ベンチャー企業の1社として、その経験と本質を語った。
スタジオ・ファーヴァ社 CEOデニス・ファビエ 氏は、植物由来、発酵由来、細胞由来成分の革新的コンセプトの構築についてプレゼンテーションを行った。
NHフーズの高崎賢司 マネージャーは、日本のPBF(プラントベースフード)のフロントランナーである同社が、どのように食の未来を描いているかを説明した。
そして最後にインテグリカルチャーの羽生雄毅氏が、細胞農業のインフラ構築に力を入れている同社について興味深い話をした。
様々なプレゼンテーションから、日本では代替タンパク質の推進力として、倫理的な懸念は健康、味、品質、価格よりも重要視されていないことが明らかになった。
タンパク質の移行が必要だという考え方は、オランダ人よりも平均的に肉をあまり食べない日本の消費者にはピンとこないし、むしろ高齢者のタンパク質摂取量の減少傾向を懸念する日本政府にもピンとこない。
とはいえ日本の食品業界は付加的な健康食品の選択肢としてまた世界市場の発展を視野に入れ、植物性食品や培養肉、そして魚のような代替タンパク質の開発に投資をしている。
興味深いことに、ハイブリッド製品、つまり(培養)肉と植物性原料からなる製品も、植物性食品の味と食感の問題に取り組む魅力的な新しい食品の選択肢の一つとして挙げられている。
休憩
第3部
パネル・ディスカッション
テーマ:日本における代替タンパク質の発展:現状と将来の展望

司会進行:
オランダ農業・自然・食品品質省 特使
フレドリック・フォッセナー 氏
パネリスト(画像、フレドリック・フォッセナー 特使含め左から順に):
オイシックス・ラ・大地株式会社
経営企画本部 Future Food Fund セクション ファンドマネージャー
村田靖雄 氏
西村あさひ法律事務所
シニア・アソシエイト
片桐 秀樹 氏
グッドフードインスティテュート
日本支部暫定代表
洪 貴美子 氏
JML 株式会社
取締役社長
リラ・フェルナンド 氏
味の素株式会社
執行役 グリーン事業推進担当 コーポレート本部 グリーン事業推進部長
柏原 正樹 氏
ワーへニンゲン大学リサーチ・センター
ヒューマン・ニュートリション&ヘルスグループ 准教授・研究員
ニッキー・ファン・デル・ウィーレン 氏
フレドリック・フォッセナー 氏
代替タンパク質の将来への楽観的観測
プレゼンテーションの後、パネルディスカッションが行われた。代替プロテインのアプローチには明らかな違いがあるものの、パネリストの間では、日本および世界における市場の将来について楽観的な見方が広がっていた。
モデレーターのフォッセナー氏から、5年後の代替タンパク質のビジネスチャンスについて0から10のスケール感で答えるよう求められたとき、パネリスト全員が7から10の高いスケール感である、と返答した。
その開発を支援するため、さまざまな提案がなされた。
パネリストの中には、日本では必要最低限のタンパク質摂取量が満たされていないとされているため、植物性タンパク質をより重視することに慎重な意見もあった。しかし、これは一般的な誤解である。日本政府の調査によれば、平均的なタンパク質摂取量は十分すぎるほどあり、高齢者だけが摂取量が少なすぎる傾向にあるのである。そのため他のパネリストの中には、このような一般的な考え方に反して、健康的な植物性食生活を推進するために日本政府と食品産業は消費者にその情報をきちんと伝えその効果をもたらす為の対応をもっとするべきだと主張する者もいた。
その手始めとして例えば、日本政府は新しい代替タンパク質製品を市場に投入するその方法について、あらかじめしっかりとした規制の枠組みを構築するべきではないか。日本企業もまた、消費者がなぜ植物由来の製品を選ぶべきなのかを伝えることに、もっと力を入れるべきではないか。日本とEUの間で明確かつ統一された表示基準は、消費者と食品事業者の双方とのコミュニケーションにも役立つであろう。
現在、日本では代替タンパク源への関心は主に若い世代に集まっている。しかし、今のところ日本の市場開拓は遅れており、オランダで非動物性製品の需要を多く牽引している動物愛護のような倫理的関心からの明確な後押しもない。とはいえパネル全体の印象としては、物事は流動的で多くの物事が起こっており、国境を越えた協力に手を差し伸べるには今は良い時期だ、というものだった。
パネルディスカッションは、盛況のうちに幕を閉じた。
次回のシンポジウムは、2025年6月に開催される2025年大阪万博関西大会の期間中に行われる。

総括・閉会の挨拶
オランダ王国大使館
デニーズ・ルッツ 農務参事官
デニーズ・ルッツ農務参事官は閉会の挨拶で、このシンポジウムがオランダと日本の代替タンパク質セクターの関係者間の新たなつながりを促進し、2025年大阪万博、そしてその先に向けてイノベーションとビジネスの協力に更なる効果をもたらすこと、更なる貢献をもたらすことに期待すると述べた。オランダは、持続可能な食料生産と消費をテーマにさまざまな活動で万博に参加することになる。
*次回は2025年6月、大阪万博の会期中に開催されます。これまでの2回は、「コモン・グラウンド – ロード2大阪」の活動の一環として行われました。


立食懇親会
料理の数々
フォトギャラリー
最後に
まだまだ知らないことばかりの代替タンパクについて。
オランダや日本の最先端の情報を知って自分の知識となるのはどれほど素晴らしいことか。セミナーに参加するたびに思います。
そして、将来の食に対して使命感を持ち奮闘される方々がいらっしゃるのも心強いことです。
これからが本当に楽しみです。




































































































