王室御用達について
About Royal Warrant


600社もの王室御用達企業が軒を連ねます。
2022年4月、オランダには王室御用達の業者が約640社あり、そこには100年以上の歴史を持つオランダのファミリービジネスが見事に集まっています。花屋からオルガン職人、シロップ工場から肉屋、ピアノ会社からビール醸造所まで。王室御用達は、感謝、品質、職人技の証であり、誇るべき称号なのです。
王家の紋章
オランダ王国の紋章(国章)とオランダ国王の紋章(王章)は、1815年のオランダ王国成立以来、同じものです。1907年に紋章が変更され、1980年4月23日の王令により、ベアトリックス女王即位の際、変更され、今に至ります。
1907年以来、王家の紋章は、金色の昇り獅子と伯爵の冠が特徴で、ブルーの背景(フィールド)には、金の縦型の矩形がちりばめられています。紋章学では、ちりばめるという言葉は数が固定されていないことを示すもので、一部の矩形も完全に描かれていないものがあります。盾を持つ2頭のライオンの横顔が描かれています。紋章には王の王冠も配してあります。紋章の下に付けられたリボンには、‘Je Maintiendrai(我、守り続けん)’というモットーが書かれています。
1907年7月10日の勅令(Stb.181)により、王家の紋章(国の紋章でもある)が修正されました。盾の中に描かれたライオンも、盾を持ったライオンもそれ以前はすべて王冠を被っていましたが、紫色の天蓋に覆われたとき、追加された紫色のエルメスの裏地のマントが王冠となったため、王冠を被らなくなりました。さらに1907年以前は、ライオンは横顔ではなく正面からの顔でした。
象徴的なもの
盾に描かれたライオンは、剣と7本の矢の束を携えています。ライオンはNassau(ナッサウ家)の紋章から、剣と矢の束はStaten Lion(オランダ統一共和国時代に州総督の紋章に描かれていたライオン)から取られたものです。Staten Lionは、オランダ共和国時代の州総督の紋章にあったものです。矢は7つの地方を象徴しています。矢は協力の象徴でもあります。個々の矢はもろいですが、まとまれば大きな力になります。王冠とマントが、Oranje-Nassau(オラニエ・ナッサウ家)の王としての威厳を強調しています。
Je Maintiendrai(我、守り続けん)
Je Maintiendrai(我、守り続けん)は、オランダ総督William I世(ウィレム一世)(通称:オラニエ公ウィレム)以来、オラニエ・ナッサウ家のモットーとなっています。彼とオラニエ公国は、従兄弟のRené van Chalon(ルネ・デ・シャロン)から受け継いたのでした。そして1815年、ウィレム一世がこの標語を王家の紋章に採用しました。


王室御用達業者になるには?
王室御用達業者として認定を受けるためには、いくつもの厳しい条件をクリアしなければなりません。また、設立以来、社名の変更がないことが望ましいとされています。当然、会社は健全であり、非の打ちどころのない行動をしていることが望まれます。
「王室御用達業者となる」指定を受けるには、約1年の申請 期間が必要です。
会社設立99周年には、法定所在地市長に正当性のある申請書を提出することができます。該当する州の州知事が同社に対して徹底的な調査を実施し、肯定的な結果が出た場合、国王に助言がなされます。ただ、陛下は、理由を述べずに申請を却下することもできます。
「王命による王室御用達業者」の指定は君主の個人的な権利(「特権」)であり、25年間付与されます。その後、タイトルを永遠に持つことができます。国王の肯定的な判断の後、憲章が作成され、王命が正式に会社に伝達されます。その後、所定の申請の範囲内で、紋章を掲げることができます。
王室御用達
Juliana(ユリアナ)女王の時代には、Bernhard(ベルンハルト)公にも王室御用達を認定する権限が授けられていました。ただ1987年、Beatrix(ベアトリクス)女王は自分だけがこの権利を持つことを決め、ウィレム=アレクサンダー国王もこれを踏襲しています。したがって、政令ではなく、あくまでも勅令なのです。
王室御用達になる条件、維持する条件
国王陛下は、「By Koninklijke Beschikking Hofleverancier (オランダ語で王室御用達の意)」の文字が刻まれた王室紋章を掲げる権利を認めています。称号は企業名に付され、譲渡不可であり、原則として最長25年間付与されます。会社が100年以上存続していることが条件です。特別な記念日(創立100年、125年、150年)、または会社における非常に特別なイベントの際にも申請が可能です。設立以来、同じ社名で活動しており、オランダのアイデンティティを有していることが望ましいです。その地域において業界を牽引していること。高名であること。特に、法的にも経済的にも非の打ちどころのない人材を役員に迎えていることが必要です。
王室御用達の認定を受けた企業が、必ずしも、王室に商品を納める必要はありません。また、王室に商品を納めている企業が、認定なくして王室御用達を名乗ることはできません。
王室御用達の称号を授かった企業は、授かった書類、すなわち勅令の写し、定款、規定の写しを大切に保管する必要があります。証明書は国王陛下の所有物であり、できれば社内の誰でもアクセスできる場所に目に見えるように掲げておくのが望ましいです。
出典:Aandacht voor Hofleveranciers