代替タンパク質への取組み 3 – The Netherland Food Style

The Eating Style
The Netherlands Food Style

代替タンパク質への取組み 3
Future Protein NL 3

III.私たちの取り組み
Future Protein NLの5つの要素

Future Protein NLの調査によると、オランダが先進的立場を保てる要因として、この図に示した5つの要素が挙げられることがわかりました。これらの要因はすべて質の高い教育という強固な基盤の上に成り立っています。オランダの教育制度は世界的にも評価が高く、優れた小中学校教育と質の高い高等教育・職業研修を誇っています。

エコシステムの構築

1.連携

協働的なアグリフードクラスターはオランダの代替タンパク質セクターの大きな特徴です。この確立されたエコシステムは、アグリフード分野の起業家、経験、世界クラスの大学、緊密な連携、物流のほか、支援に積極的な政府によって支えられています。そして外国企業の多くが、欧州の窓口であるオランダを主要オフィス、製造拠点、研究施設の場として選択しています。
オランダの国民の90%が英語を話せると言われており、その点も国際企業の成長環境として有利です。

2.イノベーション

オランダは、世界で6番目に革新性の高い国との評価を得ています(2021年グローバル・イノベーション・インデックス)。また、培養肉や発酵技術など、優秀で革新的な企業や製品も数多く生まれています。

3.企業

オランダは、スタートアップ 企業がイノベーションを起こし、 最終的には影響力のある大企業へと成長していくのに絶好の環境です。代替タンパク質業界はスタートアップ、成長中の企業、大企業の組み合わせと協働で成り立っています。

4.ブランディング

Mosa Meat、Protix、 Schouten、The Vegetarian Butcher / Unilever、Viveraなど、世界をリードするブランドやクリエイティブな コンセプトの多くがオランダから生まれています。更にオランダの消費者は タンパク質移行に極めて積極的で、 1人あたりの肉類似製品の消費量は 欧州1位です(ProVeg、2021)。

5.転換

オランダはタンパク質業界に 100年以上の経験を持っており、既存のインフラ、知識、経験は、動物性から非動物性のタンパク質への転換に 不可欠と言えます。

国境を越えて、グローバルな課題を共に解決することに注力しています。オープンで独創的、そして寛容な文化を持つオランダはグローバルゴールズ(持続可能な開発目標)に取り組む外国企業にとって最適なパートナーとなるでしょう。

0.研究と教育

研究センターと大学が強力な基盤

アグリフード関連では最先端の知識を誇り、高いスキルと英語力のある人材が集まっています。また革新的な技術や製品を試験、試験生産、生産拡大したい 企業のための研究施設も数多くあります。

研究センターや機関

アグリフード分野で
世界トップクラスの主な大学

  • ・Bioprocess Pilot Facility
  • ・Food Application Center for Technology
  • ・Food Tech Brainport
  • ・Green Protein Excellence Center
  • ・INNOLAB
  • ・Louis Bolk Institute
  • ・NIZO
  • ・Planet B.io
  • ・Susinchain
  • ・The Protein Competence Center
  • ・AERES応用科学大学(アルメレ)
  • ・デルフト工科大学
  • ・アイントホーフェン工科大学
  • ・HAS応用科学大学(デンボス)
  • ・ライデン大学
  • ・マーストリヒト大学
  • ・フローニンゲン大学
  • ・ユトレヒト大学
  • ・ワーヘニンゲン大学研究センター (WUR)

世界トップクラスの知識と開発

NIZOとワーヘニンゲン大学研究センター(WUR)
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1.連携

協力的なエコシステム

オランダは国土面積の小さな国(米国の約237分の1、日本の約9分の1)ですが、欧州では戦略的なポジションに位置しています。また、世界クラスのインフラと4つの港湾を備え、国際的な視点と協力の精神が息づいています。

オランダのモットーは「3重らせん」で、企業、研究機関、行政、社会組織が共通の利害関係を基盤に協力し、市場の成長とグローバルな課題の解決を目指しています。行政と民間のパートナーシップは500以上にのぼり、ネットワークづくり、知識共有、ベンチャー事業の機会を生み出しています。

国民は、イノベーションに対してオープンで、知識の交換にも柔軟です。既成概念に捉われないところがあると言えるでしょう。また、協力の精神、率直な意思疎通、オランダらしいgezelligheid(ヘゼリグハイド、交流)がビジネスにも生きています。小さな企業から多国籍企業まで、新興企業から実績のある大企業まで、それぞれの組織を上手に結び、ネットワークを拡大することに長けています。複数のネットワーク組織が人脈の確立と人々の出会いの場の提供に貢献しています。

グローバルなオランダ

アグリフードイノベーションの世界的リーダーであるオランダは欧州の窓口としての機能も果たしています。世界のトップアグリフード企業20社のうち15社はオランダに主要生産工場や研究開発施設を持っており、その中にはNestlé、AB InBev、Coca-Cola、Unilever、Heineken、Cargill、Kraft Heinzなどの大手に加え、Innocent DrinksやLamb Westonなどの急成長中のイノベーション企業もあります。複数のエクスパットセンターがあり、 外国企業で働く人の就労許可、住宅や学校の手配、医療、その他の個人的なニーズ、スムーズな入国手続きなどをサポートしています。代替タンパク質の分野では、以下のような複数の大企業がオランダの関係部署と協力し、オランダに生産施設や事業所を開設しています。

  • Beyond Meat(米国)は2020年にオランダのエンスヘデに最初の共同製造施設を開設。

  • ENOUGH(スコットランドの3FBIOの子会社)は、4,200万ユーロをゼーラントの工場に投資。

  • Meatless Farm(英国)は Van Loon Groupと共同でアルメレに工場を設置。

  • Oatly(スウェーデン)はスウェーデン外で初の生産施設をオランダのフリッシンゲンに設置。

  • Proeon(インド)は新しい研究所をオランダのデルフトに設置。

  • Redefine Meat(イスラエル)は3Dプリントを利用したEMEA向けの植物性食肉工場をオランダのベストに開設。

  • Sophie’s BioNutrients(シンガポール)はオランダのアムステルダムに事業を拡大。
    同社は微細藻類(食品廃棄物で栽培)から食用の純粋なタンパク質を生産。

その立地条件と欧州との接続性により、半径1,000 km以内に住む2億4,400万人の消費者とのアクセスが可能です。これは欧州の最も潤沢な消費者市場 の95%に相当します。強力な物流と流通のインフラを背景に、オランダの企業や研究 機関はアグリテックにおけるイノベー ションと研究開発の最先端に立っています。

政府は、情報提供のほか、イノベーション、農業官、NFIA事務所のネットワークを通じてオランダ内外の企業を支援しています。NFIAは欧州への進出を検討する企業には、事業の確立、事業の展開、オランダにおける国際業務の拡張など、さまざまな分野で支援と助言を行っています。詳細は japan.investinholland.com をご覧ください。

志を同じくするパートナー

LIVEKINDLY Collectiv
欧州、英国、オーストラリア、ニュージーランドの地域ディレクターTal Nadari氏
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緑の黄金

The Dutch Weed Burger
共同設立者Mark Kulsdom氏
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最小限の材料で最大の生産を

ENOUGH BV
業務ディレクターRob Cogghe氏
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強力なパートナーシップと欧州への窓口

Beyond Meat
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出典:オランダ農業・自然・食品品質省