アイルランド移民と共にやってきた、St. Patrick’s Dayとポテトの話 / カナダの外交官(リサさん)より~Canadian Food Style Vol.59

Canadian Food Style Vol.59

前回のVol.58、カナダの外交官(リサさん)よりカナダの冬の乗り越え方:動く、食べる、楽しむ(パート2)はこちらに。

 

 

Canadian Food Style

 

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*画像をクリックするとカナダの「食」のサイト、Canadian Food Style へ飛びます。

 

 

カナダの外交官(リサさん)より、

アイルランド移民と共にやってきた、St. Patrick’s Dayとポテトの話

 

 

 

世界各国から毎年約30万人の移民を受け入れているカナダには、移民の影響を受けた祝日やイベントが数多くあります。

一つがアイルランドでキリスト教を広めた聖職者(Saint)、パトリック(Patrick)の命日を由来とする3月17日のセントパトリックス・デー(St. Patrick’s Day)です。

 

 

 

セントパトリックス・デーはカトリック教徒の祭日であり、アイルランド共和国の祝祭日でもあります。

 

敬虔なカトリック教徒は教会に礼拝に行くことを行事の一つとしていますが、今ではアイルランドの伝統や文化を共に祝う日として、世界中で親しまれています。

アイルランドはその豊かな緑あふれる風景から「エメラルド色の島」と呼ばれているため、セントパトリックス・デーのテーマカラーは緑です。

 

 

最近の国勢調査結果で、アイルランド系カナダ人人口は現在約450万人で、国内で4番目に大きな移民グループであることが確認されました。

そのため、セントパトリックス・デーのお祝いはカナダでも毎年とても盛大で、3月に入るとカナダの街のいたるところでお祝いに参加する人々の姿が見られます。

 

 

当日は、、

 

 

当日は、友達や家族とパレードに参加したり、ライブミュージックを聞いたり、緑の服やアイテムを身につけて、緑色のものを食べたり飲んだりして楽しむ人々の姿が見られます。

バンクーバーからハリファックス市までパレードが開催され、街の中心部は摂氏0度という寒さの中でもアイルランドの伝統的な音楽隊の演奏やパフォーマンスを見るために集まった多くの人たちで賑わいます。

 

 

ニューファンドランド・ラブラドール州が一番早い!

 

 

例えば、アイルランド系移民が多い東海岸のニューファンドランド・ラブラドール州では、州政府がセントパトリックス・デーを祝日に制定しています。

 

協定世界時(UTC)を3時間30分遅らせたニューファンドランド標準時が適用されるニューファンドランド・ラブラドール州は国内で最も早く日付が変わるため、ニューファンドランド・ラブラドール州の人たちはカナダのどの州・準州よりも早くセントパトリックス・デーを祝えることを誇りに思っていると言われています。

 

セイントジョン市のセントパトリックス・デーはアイリッシュパブでの朝食から始まり、一日中ライブミュージックを楽しむことができます。

市内のバーの多くは翌日午前3時まで営業を続けます。

 

 

色のビールやギネスビール入りシチューも。

 

 

カナダ各地のアイリッシュパブやバーもセントパトリックス・デーを楽しむ多くの人で混み合います。

パブのホームページやソーシャルメディアなどで当日のイベント情報やスペシャルメニューが公開されることもありますが、セントパトリックス・デー定番のドリンクは緑色のビールや、ウイスキーをベースとしたアイリッシュコーヒー(砂糖、生クリームを加えた甘めのホットドリンク)です。

食べ物ではシェパーズパイやマッシュポテトと ポテト料理、ギネスビール入りのシチューなどが有名です。

 

 

*画像提供:darcymcgees44sparksは、

オタワで最も有名なアイリッシュパブからの写真です。

 

 

アイルランドからカナダへの移住

 

 

アイルランドからカナダへの移住が最も盛んだったのは19世紀半ばです。

この頃、アイルランドでは葉枯病によるポテトの不作によって飢饉が起こり、約百万人のアイルランド人がカナダやアメリカなどへ渡りました。

 

ポテト生産に携わるアイルランド系移民が多いこともあり、カナダは世界有数のジャガイモ輸出国として知られています。

現在輸出量の大半は北米域内で消費されているものの、アジア諸国などへの輸出に対する関心も高まっています。

カナダ国内では事業の大規模化を進めているポテト加工業者もあり、輸出拡大、特に加工品への期待が高まっています。

 

 

 

カナダのポテトは、、

 

 

カナダ有数のポテト産地であるニューブランズウィック州を本社とするマッケイン・フーズによると、「世界中で食べられている4本に1本のフライドポテトはマッケイン社のものである」と話していました。

そう、カナダの会社が世界にフライドポテトを供給しているのです。

カナダではとても知名度が高いマッケイン・フーズ。

そして、日本でもeコマースやレストランなどを通してカナダ産のフライドポテトやハッシュブラウンを味わえることができます。

 

きっと、知らないうちにみなさんもカナダ産ポテトに慣れ親しんでいることでしょう。

 

もし、セントパトリックス・デーに興味を惹かれたら、緑のテーマカラーとポテト料理で楽しんでみるのはいかがでしょうか?

 

 

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他国から移り住む人口がかなりの割合を占めるカナダ。

カナダの首都トロントは世界で一番の多民族が暮らす都市です、とオタワ州政府の方が教えてくれました。

もし移り住んだとしても、自国の事を感じることが出来るのならば寂しさは軽減されるのかもしれません。

 

世界中の人が一緒に同じ場所に住む、とても難しいことをカナダで住めば出来ちゃうのかも。

我々も将来いつか、一度カナダに住んでみるのも良いのかもしれません。

(まずは行ってみなくては!)

 

 

 

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