カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(後編No.3)~Canadian Food Style Vol.45

Canadian Food Style Vol.45

 

Vol.39、
カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(前編)はこちらに。

前回の Vol.44、
カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(後編No.2)はこちらに。

 

 

Canadian Food Style

 

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カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(後編No.3)

*どうぞページ、なかほどからお読みください。

 

 

フィールドでの収穫と抽出

 

 

通常、アルバータ州では、7月中旬からハチミツの収穫が始まります。

巣箱の中が熟した新鮮なハチミツでいっぱいになると、収穫の準備が整います。

巣箱は、作物が花を咲かせ、花の蜜を分泌し始める6月中旬に巣の上に設置され、巣の中心、つまり「ブルードネスト」と呼ばれる女王蜂の居場所の上にある余剰分のハチミツを採取します。

 

夏には、健康な環境の巣には5万~7万匹のミツバチが生息しています。

 

ハチミツ収穫のピーク時には、「ブルードネスト」の上に「スーパー」と呼ばれる、通常3~5個、追加の巣箱が置かれます。

「スーパー」とは、Superstructure(上部構造)の略を指し、ここにミツバチがハチミツを貯蔵します。

 

 

余剰分のハチミツを保存するための十分なスペースに加え、夏に増大する個体群に対応できる充分な空間を確保できるのはミツバチにとってもメリットがあります。

ひとつの巣箱には9つの巣板があり、空の状態でも約10kgの重さがあります。

ハチミツがいっぱいになると、その重さは30kgにもなります。

つまり、1つの巣箱から20kgのハチミツが採れることになります。

アルバータ州の収量の多い巣箱では、理想的な環境下では100kg以上のハチミツを生産することができます。

 

1kgのハチミツを作るのに、ミツバチたちが約12万kmもの距離を飛んでいることを考えると、これは驚くべきことです。

 

 

巣箱を扱う際、養蜂家は「スモーカー」と呼ばれる装置を使い、ミツバチの巣の入り口や間に噴煙します。

このときに使われる煙は少量でミツバチに害を与えるものではありませんが、彼らの嗅覚機能を阻害します。

 

ミツバチは危険を感じると、針の近くにある腺からイソペンチルアセテートと呼ばれる警報フェロモンを放出します。

このフェロモンは空気中を漂い、他のハチに攻撃の準備をするように警告します。

 

煙を焚くことでこのフェロモンを覆い隠し、ハチの巣に生じる混乱やストレスを最小限に抑えられます。

もちろん養蜂家がハチに刺される回数も最小限に抑えることができます。

 

大事なことはハチの集団を傷つけないことです。

養蜂家が使用する煙は、麻、ウッドペレット、乾燥草など、さまざまな自然の燃料を使用しています。

 

 

収穫されたハチミツでいっぱいのハチミツの巣箱は、養蜂家が「ハニーハウス」と呼ぶ抽出施設に運ばれます。

まず、35℃程度に保たれた保温室にハチミツの巣箱を置き、抽出作業を開始する際にハチミツが巣から流れやすいようにします。

 

 

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「1kgのハチミツを作るのに、ミツバチたちが約12万kmもの距離を飛んでいることを考えると、これは驚くべきことです。」

なんということでしょう。

1kg のハチミツの為の12万km 。

感謝しながら、大事に食べないといけません。

 

 

今晩もどうぞお気をつけて。

 

 

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