主催:イタリア大使館貿易促進部
イタリア産チーズ商談会『Borsa Formaggi 2023』
イタリア大使館貿易促進部(部長:エリカ・ディジョヴァンカルロ)主催、ホテル雅叙園東京においてのイタリア産チーズ商談会『Borsa Formaggi 2023』へ行って参りました。
『Borsa Formaggi 2023』展はイタリア産チーズ、乳製品に特化した業界関係者向けのイベントです。試食商談会には、北はロンバルディア州、ピエモンテ州から南はシチリア州、サルデーニャ州までイタリア各地より16社のイタリア企業が出展し、パルミジャーノ・レッジャーノDOP、グラーナ・パダーノDOP、ゴルゴンゾーラDOP、モッツァレッラ、マスカルポーネなどの常に日本市場で需要の高いチーズから、タレッジョDOP、ブッラータ、ペコリーノチーズや、オーガニックチーズ、特殊な熟成方法で作られてたチーズなどバラエティ豊かなイタリア産チーズが勢ぞろいしました。
一部の出展者はイタリア本国より担当者が来日し、各社の製品を日本の業界関係者に直接アピールする場となった様子。また、日本市場に既に参入しているブランドブースでは国内の輸入元企業と来場者との熱気を帯びたやりとりも目にし、まさに祭りの様でした。
同時開催されたテイスティング・マスタークラスでは、当日のキャンセル待ちに長い列ができるほど高い注目を集め、全2回のマスタークラスに、計140名以上が参加されたそうです。
■ イベントデータ
会期: 2023年6月12日(月)
会場: ホテル雅叙園東京
・試食商談会: 11:00~17:00 4階『飛鳥』
・テイスティング・マスタークラス 4階『孔雀』
講師:NPO法人 チーズプロフェッショナル協会 会長 坂上あき氏
第1回 牛乳/水牛乳製チーズ編 12:30~
第2回 羊乳/山羊乳製チーズ編 15:00~
対象:料飲、食品業界関係者のみ
参加費:無料
出展イタリア企業:16社
■ イベント概要、出展者詳細
公式サイトで引き続きご覧いただけます。
https://www.ice-tokyo.or.jp/borsaformaggi2023
第1回 テイスティング・マスタークラス(牛乳、水牛乳製チーズ編)
へ行って来ました
ご挨拶
Greeting
イタリア大使館貿易促進部 テレーザ・バルプ 副部長より
本日はお越しいただきありがとうございます。
我々ITA(イタリア大使館 貿易促進部)の活動の主な目的は、イタリア製品を世界へ広めていくことです。
今日はイタリアのチーズを皆様に味わって頂きます。どのように食べたらもっと美味しくなるか、どのような組み合わせが美味しいか。我々古来の食文化から鑑みると、イタリアのチーズはタンパク質が豊富で健康に良く、気分を上げてくれる食材です。イタリア全土には多種多様なチーズが存在します。昔ながらの伝統的な手法によって製造されるチーズも数多く残っています。本日はイタリアから16の生産者が来日しています。北イタリア~中部イタリア~南部イタリアまで、60種類以上のチーズと乳製品を提案してくれます。
チーズは日本でも関心の高い食材です。
2022年の輸入総額は27%UPとなり、1,800億円相当です。そのうちイタリアからのチーズ輸入金額は33%UP、おおよそ370億円に相当します。日本人の一人当たりの年間チーズ消費量はおおよそ2.7kg。イタリア人の一人当たり年間チーズ消費量20kg にはまだまだ及びません。(でもこれからです。)日本人の持つ好奇心が、イタリアのチーズへの新たな発見を見出してくれることと思います。
本日はチーズプロフェッショナル協会会長でいらっしゃる 坂上 あき さんによるこれからの講演で、イタリアのチーズの魅力をさらに知って頂けます。
どうぞ良い時間を過ごして頂けますように。

NPO法人 チーズプロフェッショナル協会
坂上 あき会長 より
本日の講師を務めさせて頂きます坂上です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、イタリアチーズの概要よりご説明致します。
①歴史
約5,000年前には*その製法が確立していたと言われています。
*レンネット(酵素)を加えて水分の少ないチーズを造る製法。保存性が高くなる。
ローマ帝国の拡大
ミルクの加工は、最初中東メソポタミアからヨーグルト(自然にミルクが固まる状態)がもたらされ、ギリシャ、そしてイタリアへ。
移動途中に水分を抜く作業が加わりチーズへと移行しました。
ローマ帝国の拡大とともにチーズもヨーロッパ全体へ拡大していったのです。
②地域の特徴
地中海性気候により、それぞれの地域に応じたチーズが形成。
イタリアのチーズはその地域の特徴をとても表しているチーズです。
北部
牛がたくさん飼われて牛乳性のチーズがたくさん造られる地域。
中南部
アペニン山脈が連なり平地は少なく、暑くて乾燥した地域です。
暑さに弱い牛の飼育はここでは向かず、カンパーニャ州でも有名な水牛が飼われています。
③文化的な特徴
そのまま食べるだけではなく料理に広く使用。
例:パルミジャーノ・レッジャーノの場合、そのまま大きくかち割るとワインのお供になります。でもすりおろしてパスタに、スライスしてサラダに使用することができます。
各地域のチーズ:その土地その土地の料理、リストランテだけではなく家庭料理の中で取り扱われる。チーズ一つが冷蔵庫にあればよいのです。
例:シチリアのレストランではトマトソースのパスタにパルミジャーノ・レッジャーノではなくシチリアのチーズ「ラグザーノ」を使用。自分の地域のチーズが自分のチーズになる。
色々な動物のミルクを混ぜて造る。
牛の搾乳量が減る時に他の動物(羊や山羊など)のミルクを増やすことで、チーズの大きさを変えないで済みます。
これは非常にフレシキビリティな考え方・作り方で、自分たちのチーズだから自分たちで自由に造るのです。
牛のチーズ
3つの地域があり。
アルプス山脈の地域・・・標高が高く寒い地域。冬の間の食べるものを確保するため、ハード系の大きなチーズが造られるようになる。
アルプスの山麓地域・・・なごりのミルクを絞って作る、量が少なく小さめのチーズを造ることに。ゴルゴンゾーラやタレッジョなど。
平野部・・・アルプス山脈の地域に住んでいた修道士が平野部に下りてきてチーズ造りを。パルミジャーノ・レッジャーノやグラナダパダーノなど。
水牛のチーズ
イタリアにはもともと水牛はいません。
色々な説があります。10c 頃インドから、11c 頃ヨーロッパの東十字軍から、など。
寒いところでは水牛は生きることが出来ず。イタリアではカンパーニャ地域のみが大丈夫だったと言われています。
アルプス山脈の山で降った雨による湿地帯、これが水牛の生きやすさに適していたようです。
水牛のチーズは牛よりも一頭当たりの乳量が少ないが固形物が多いためチーズ造りに非常に適したミルクでした。
モッツアレラ
食べてきました!モッツアレラとゴルゴンゾーラを使用した一品
イタリアンぬた / 水牛モッツァレラでジューシー&ミルキー!
ゴルゴンゾーラDOP ピッカンテとバナナのクロスティーニ
出展者一覧


ボナーティ・ジョルジョ社は、自社の牛のミルクを使用し、非常に熟成期間が長い(16ヶ月、26ヶ月、3年、4年、5年、7年、10年)パルミジャーノ・レッジャーノDOPの製造を行っています。

ベッピーノ・オッチェッリ・アグリナトゥーラ社は1976年より家族経営でバターとチーズを生産しています。ベッピーノ・オッチェッリ・バターは世界でも最高級品の一つされています。ヴァルカソットのセラーで長期間をかけ熟成されたチーズは世界中の美食家たちから高く評価されています。

家族経営のカゼイフィーチョ・デフェンディ・ルイージ社は、1865年より、高品質のDOPチーズ(ゴルゴンゾーラDOPドルチェ/ピッカンテ、タレッジョDOP)、特別な水牛乳製チーズのバッファロ・ブルやカマンベール・ディ・ブーファラを製造しています。同社ではイタリア認証のミルクのみを使用しています。料飲、小売、フードサービス、業務用などあらゆるサイズに対応可能です。また、BRCおよびIFS認証を取得しています。

カゼイフィーチョ・ムルタス社は1947年、サルデーニャ島のシリウス村で創業されました。放牧飼育された地元の牛のミルクを使用することで、牧草地の生物多様性により生まれる独特の風味やニュアンスがチーズに与えられ、ムルタスチーズの真正性を確かなものにしています。

カゼイフィーチョ・プリエーゼ・フラテッリ・ラディッチ社はフレッシュチーズおよび冷凍チーズの製造に特化した企業です。モッツァレッラ・フィオル・ディ・ラッテ、ブッラータ、リコッタ、ピッツァ用モッツァレッラ、ストラッキーノ、フードサービス/小売用IQF(急速冷凍)チーズを生産しています。

グルミット組合は、イタリアの乳業メーカーにより構成された、製品の輸出に焦点を当てた生産者ネットワークです。同組合が目指すのはイタリアの食文化が持つ卓越した豊かさを伝え、広めていくことです。

1920年よりエミリオ・マウリ社は、タレッジョDOP、ゴルゴンゾーラDOP、クアルティローロ・ロンバルドDOP、ゴルゴンゾーラ/マスカルポーネなどソフトタイプのフレッシュ/熟成チーズ、その他牛乳/山羊乳製チーズの生産、販売しています。同社のチーズは、アルプスにあるパストゥーロ・ヴァルサッシーナの天然洞窟で熟成を行います。

1929年創業のイタリア・ラツィオ州フロジノーネにあるチーズ製造メーカー。エウロ・ポメッラのモッツァレッラは、新鮮な原乳から造られるため色が白く、加熱後の伸びが良いです。個別急速冷凍(IQF)により、解凍後のドリップが無く、必要な量のみ解凍しご使用頂けます。計量しやすいため原価率設定が容易になります。

1935年に創業のフランチャ・グループは、現在もローマ南部にある工場で、地元のサプライチェーンから供給されるミルクを使用し、モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナDOP、アグロ・ポンティーノ産フィオルディラッテ、ザリーナを製造し、常にその味と品質で地域を象徴しています。

グラナローロ社は、イタリア最大の乳業メーカーとして知られ、牛乳、チーズ、 ヨーグルト、ジェラートなど、乳製品全般を幅広く生産しています。生乳の管理から製品の生産・ 流通、販売管理に至るまで、しっかりとした品質管理体制をとっています。現在はヨーロッパ圏だけでなく、アジア圏を含め世界76カ国で販売実績がございます。

イゴール社は、ゴルゴンゾーラDOPドルチェ/ピッカンテの生産において世界をリードする企業です。1935年設立の家族経営の企業で、現在、レオナルディ家の4代目が代表を担っています。5つの生産拠点があり、2ヶ所は完全にオートメーション化された工場で、3ヶ所では伝統的な製法で生産を行っています。

ラッテリア・ソチャーレ・マントヴァ社は、グラーナ・パダーノDOPの生産量第2位を誇り、年間407,000ホール以上生産しています。生産の約7割は海外に輸出されており、グラーナ・パダーノDOP分野No.1の輸出業者として、現在65カ国に進出しています。

1948年創業のポッツァーリ・ロディグラナ社は、黒い外皮のチーズ「グラノーネ・ロディジャーノ」の伝統を受け継いだ、「ベッラ・ローディ」を1997年に誕生させました。2012年には「ラスパドゥーラ・ロディジャーナ」を復活させ、最近では水牛乳製の「リゼルヴァ・ビアンカ」も発売しています。

SANTA RITA BIO CASEIFICIO SOCIALE 1964 SRL
サンタ・リータ・ビオ・カゼイフィーチョ・ソチャーレ1964
https://santaritabio.com/ja/
1964年に創業されたサンタ・リータ・ビオ・カゼイフィーチョ・ソチャーレ1964社は、山地で造られるパルミジャーノ・レッジャーノDOPの生産で約60年の経験を誇ります。 地元の農家や畜産家との緊密な連携により、1994年以降、総合的な有機生産チェーンの構築を確立しています。

2008年、南イタリアの中心部に設立されたトーテム・フード社は、高品質な冷凍乳製品の製造、販売に特化したリーディングカンパニーです。飲食店、ピッツェリアなどの業務用、フード Eコマースなど、あらゆる分野のニーズに応える理想的な製品を提供しています。

ZAPPALÀ SPA
ザッパラ
ザッパラ社は、イタリアの小売市場向けにシチリア産チーズを供給する最大手企業です。業務用製品も幅広く製造し、30カ国以上に輸出しています。モッツァレッラ、パスタ・フィラータ、リコッタ、プリモ・サーレ各種、DOPチーズ、リコッタケーキなど、さまざまな製品を提供しています。