Canadian Food Style Vol.58
カナダの外交官(リサさん)よりカナダの冬の乗り越え方:動く、食べる、楽しむ(パート2)
パート1はこちらに。
Canadian Food Style
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カナダの冬の乗り越え方:動く、食べる、楽しむ(パート2)
日本では「冬・雪・祭り」というと、「さっぽろ雪まつり」がよく知られていますが、カナダでも冬のお祭りが数多くあります。
その中で最も有名で北米最大級の冬の祭典は「ケベック・ウィンター・カーニバル」です。
1894年に始まったこのお祭りは、世界大戦などで数回中断されながらも続けられてきました。
現在は毎年1月末から2月にかけてケベックシティーで17日間に渡って開催されています。
城壁に囲まれたケベックシティーの旧市街は、世界文化遺産にも登録されています。
カナダ観光局によると、氷点下20~30度という最も寒い時期にもかかわらず、ケベックシティーが熱気に包まれるのは「寒さなんかを吹き飛んでしまうほど楽しいフェスティバルやアトラクション」があるからです。
「ケベック・ウィンター・カーニバル」で欠かせない存在は、真っ赤な帽子をかぶった「ボノム・カーナバル」というカーニバルのマスコットです。
「ボノム」とはフランス語で「人生を楽しく」という意味で、彼をひと目を見ようと会場内は大変な人だかりができることがあります。
ケベック州の人々ならではの冬の楽しみ方や、人生を楽しくというテーマで、街がお祭り一色に彩られます。
冬を全身で楽しむのがテーマのカーニバル。
雪と氷に囲まれたセント・ローレンス川に流氷が浮かぶ中、カーニバルの期間中は2階建ての建物より高い氷の滑り台でソリを使ったスライダー体験や屋外スケートリンクが設置され、犬ぞりレースや、凍った川で競うアイスカヌーレースなどが開催されます。
さらに、世界中のアーティストによる氷の彫刻といったバラエティー豊かなアクティビティーがあります。
雪の遊園地や雪の城といったアトラクションもあるため、子供から大人まで楽しむことができます。
夜にはイルミネーションが輝くナイトパレードなどが行われ、氷でできた「アイスホテル」での宿泊も体験できます。
アイスホテルには結婚式場(チャペル)があり、ここでで結婚式を挙げる人もいます。
そして、家族全員で楽しめるのが、メープルタフィー作り。
現地名産のメープルシロップを煮込んで雪上に注ぎ、冷えて固まり始めたら木の棒に巻きつければ、100%樹液を原料にしたキャンディーの出来上がりです。
毎年メープルタフィーのカウンターは大いに賑わいます。
イベント広場では他に「アイスバー」などのカウンターもあり、ケベック州の伝統的な飲み物、カリブ酒 (Caribou))を販売しています。
このお酒は赤ワイン(カナディアンシェリーやポート)とライ・ウイスキー(ブランデーやラム酒の場合もあり)、そしてカナダ特産のメープルシロップを混ぜ合わせたお酒です。
このお酒は氷のグラスに入れてショットで楽しむのが定番で、氷点下のイベントで体を温める方法の一つとして人気です。
お腹が空いたら、市内でフランス料理の流れを組むケベック料理を美味しく味う事もできます。
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カナダの冬、想像するだけで厳しそうな気がします。
先ほど調べてみました。ケベック州で一年のうち一番気温が下がるのは1月。
平均的な最低気温がおおよそ-15℃。最高気温が-5℃。
(平均的なので、上記の文章のように-20℃や-30℃という時もあるそうです。)
札幌の1月の平均的な最低気温と最高気温が-8℃と-1℃。
ケベック州の寒さはかなりのものです。
それでもこのように楽しみを見つけて良い時間を過ごす。
「楽しもうと思わなくては楽しくならない」とどこかの本で読んだか記事で見かけたか。
どんな時でも楽しもうと思うことは良い時間を過ごすことに繋がります。
楽しみがあるのはありがたいことなのかもしれません。
ケベック州の伝統的な飲み物、カリブ酒 (Caribou) は一度飲んでみなくては!
楽しみです。