カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(後編No.1)~Canadian Food Style Vol.43

Canadian Food Style Vol.43

 

Vol.39、
カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(前編)はこちらに。

前回の Vol.42、
カナダの外交官(リサさん)よりカナダの秋の楽しみ方はこちらに。

 

 

Canadian Food Style

 

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*画像をクリックするとカナダの「食」のサイト、Canadian Food Style へ飛びます。

 

 

カナダ・アルバータ州のミツバチの巣から(後編No.1)

 

 

分業

 

花の蜜がハチミツになる過程では、コロニー全体の協力が必要です。

蟻同様、ミツバチのコミュニティーでは共同体全体が円滑に機能するよう「分業」の社会構造が採用されています。

働きバチは雌ですが繁殖活動は行いません。

女王バチが、巣の中で産卵をする唯一の雌なのです。

 

 

ドローンと呼ばれる雄のハチは女王バチと交尾するためだけに存在し、彼らは働くこともハチミツを作ることもなく、また刺す能力も持ち合わせていません。

「甘い生活」に見えるかもしれませんが、彼らは巣の中で長くは生きられません。

働きバチたちの役割は羽化から経過した日数より異なります。

羽化から20日以上を経てようやく花の蜜を探しに行く採餌バチとして活動を始めることができるのです。

 

 

 

花の蜜からハチミツへ

 

 

ミツバチはストローのような口吻を使って花の蜜を吸い、それを蜜胃と呼ばれる特別な器官に蓄えます。

ミツバチは一度の移動で50〜100の花をまわり、蜜胃がいっぱいになるまで採取を続けます。

一匹のミツバチが一生の間に移動する距離には諸説ありますが、約800km(おおよそ羽田〜広島間の距離)と驚くべきものです。

しかしながら、ミツバチは餌を求めて5kmもの距離を飛ぶ能力を備えているものの、平均的な移動距離は3km以下と言われています。

ミツバチは、できるだけ巣の近くで質の高い花の蜜を多く探そうとします。

蜜源が近ければ近いほど、生産量も増えるからです。

 

 

ミツバチは私たち人間とは全く異なる行動の指標を持っています。

ミツバチは、フェロモンや香りの痕跡を残すことで巣から花への効率的な経路を示します。

さらに、独自の「ハチGPSシステム」により太陽の角度や方向から自分の位置を常に計算しています。

太陽が沈み始めると夜間は巣に戻り、翌朝、同じ活動を再開します。

春から夏にかけての働きバチの平均的な寿命は約4週間ですが、冬の間は健康的な環境の巣箱では最長5ヶ月間も生存することができます。

 

 

採餌バチが花の蜜を摂取すると、発酵プロセスを阻害する独自に組み合わせた天然保存料の効果により、特殊な酵素が複雑な構造の花の蜜の糖分を結晶化しにくい単純な構造の糖分に分解する「転化」というプロセスを始めます。

花から直接採取された花の蜜の水分含有率は60%ですが、巣の中でハチミツの受渡しができるよう、花の蜜からハチミツへと変化する過程で水分含有量は20%以下まで下がります。

蜜胃がいっぱいになって巣箱に戻った採餌バチは、部分的に転化が進んだ花の蜜を蜜胃から吐き戻し、口吻経由で巣箱内の若い家バチに受け渡します。

 

 

家バチは複雑な構造の糖分やその他の成分をさらに変化させる採餌バチから花の蜜を摂取します。

採餌バチから家バチへ受け渡された花の蜜は、家バチ同士の受け渡しを経た後に蜜蝋でできたミツバチの巣房に蓄えられます。

 

花の蜜に残った水分を蒸発させるため、巣箱の中のミツバチは1分間に11,000回という驚異的な回数で羽をはばたかせます。

夏の間は30度を下回ることがない巣箱内の温度も、水分の蒸発を助けます。

そして、ようやく私たちが大好きなあの甘い黄金色の液体が出来上がるのです。

ミツバチが人間の消費に適する食品を作る唯一の昆虫であることをご存知でしたか?(人間はタンパク質摂取の目的で昆虫を食することもありますが…それはまた別の機会にご紹介しましょう。)

 

 

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「働きバチは雌ですが繁殖活動は行いません。

女王バチが、巣の中で産卵をする唯一の雌なのです。」

 

この箇所が一番驚きました。そうなのですね!

知っていても良さそうなのに知らなかったとは、、。

 

 

続きはまた明日に。

 

 

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